「アシュタンガヨガって何?」「ストイックなイメージがあるけど、初心者でも大丈夫?」――そんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、アシュタンガヨガは初心者でも始められます。ただし、他のヨガスタイルと比べると運動量が多く、決まった順番でポーズを行う独自のルールがあるため、正しいやり方を知ってからスタートすることが大切です。
毎回同じシークエンス(流れ)を繰り返すのがアシュタンガヨガの特徴で、日々の成長を実感しやすいのが大きな魅力です。「昨日できなかったポーズが今日は少しできた」という小さな進歩が、モチベーションの源になります。この記事では、アシュタンガヨガの基本的な特徴から初心者の始め方まで、わかりやすく解説します。

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アシュタンガヨガとは?3つの特徴
アシュタンガヨガは、インドのマイソールでSri K. Pattabhi Jois(パタビ・ジョイス)氏が体系化した伝統的なヨガスタイルです。「アシュタンガ」はサンスクリット語で「8つの枝」を意味します。世界中にファンがいる人気のスタイルで、その奥深さに魅了される人が後を絶ちません。
1. ポーズの順番が決まっている
アシュタンガヨガでは、毎回同じポーズを同じ順番で行います。インストラクターがその日のメニューを決めるのではなく、全世界共通のシークエンスが存在します。これを「プライマリーシリーズ」「セカンドシリーズ」と呼びます。
順番が固定されているからこそ、自分の成長度合いが把握しやすいのが大きなメリットです。同じポーズを毎日繰り返すことで、「前回より少し深く入れた」「呼吸が安定してきた」といった微妙な変化に気づけるようになります。
2. 呼吸と動きを連動させる(ヴィンヤサ)
吸う息と吐く息に、それぞれ動きを合わせるのがアシュタンガヨガの核です。この呼吸と動きの連動を「ヴィンヤサ」と呼びます。呼吸のリズムに合わせて動くことで集中力が格段にアップし、「動く瞑想」とも表現されます。
3. 3つの要素を同時に行う(トリスターナ)
- 呼吸(ウジャイ呼吸):喉の奥を少し締めて「シュー」という音を出す独特の呼吸法です。この音がアシュタンガヨガのトレードマークになっています
- 視点(ドリシュティ):ポーズごとに決まった視線の方向があり、視線を定めることで集中力が高まります
- バンダ:お腹と骨盤底の筋肉を軽く引き締める「エネルギーロック」です。体幹の安定につながる重要な要素です

アシュタンガヨガの効果
身体面の効果
- 全身の筋力アップ:自重を使ったダイナミックなポーズが多く、全身の筋肉がバランスよく鍛えられます
- 柔軟性の向上:毎日同じポーズを繰り返すことで、確実に柔軟性が上がっていきます
- 持久力の向上:フルプラクティスは90分にも及ぶため、かなりの体力がつきます
- デトックス効果:大量の汗をかくことで、老廃物の排出が促進されます
- 体重管理:消費カロリーは1時間あたり300〜500kcalとも言われており、ヨガの中でもトップクラスの運動量です
精神面の効果
- 集中力の強化:呼吸・視線・バンダの3つを同時に意識するため、自然と高い集中力が身につきます
- メンタルの安定:毎日同じことを繰り返す「ルーティン」自体に、心を安定させる効果があります
- 自己観察力の向上:毎日自分の体と向き合うことで、心身の微妙な変化に気づけるようになります
初心者のためのアシュタンガヨガのやり方
いきなりフルのプライマリーシリーズ(約90分)に挑む必要はありません。初心者はまず「太陽礼拝だけ」からスタートするのが正しいアプローチです。
ステップ1:太陽礼拝Aを覚える
アシュタンガヨガのすべてはここから始まります。太陽礼拝Aの流れは以下の通りです。
- サマスティティヒ(山のポーズ):両足をそろえて立つ
- ウルドヴァ・ハスターサナ:吸って両手を上に、視線は親指
- ウッタナーサナ:吐いて前屈
- アルダ・ウッタナーサナ:吸って半分起き上がる、背中を伸ばす
- チャトランガ・ダンダーサナ:吐いて腕立て伏せの姿勢で降りる
- ウルドヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ:吸ってアップドッグ
- アド・ムカ・シュヴァナーサナ:吐いてダウンドッグ、5呼吸キープ
- 吸って前を見る→吐いてジャンプして前屈
- 吸って半分起き上がる
- 吐いて前屈
- 吸って両手を上に
- 吐いてサマスティティヒに戻る
これを5回繰り返します。最初は3回でも構いません。呼吸と動きを合わせることを意識しながら、ゆっくり取り組んでください。動きを覚えるだけで精一杯かもしれませんが、1週間もすれば体が流れを記憶してくれます。
ステップ2:太陽礼拝Bを覚える
太陽礼拝Aにウォーリア1(ヴィラバドラーサナ1)が加わったバージョンです。運動量がさらにアップします。これを3〜5回繰り返しましょう。太陽礼拝Aが安定してから追加すれば大丈夫です。
ステップ3:スタンディングポーズを少しずつ追加
太陽礼拝が安定してきたら、以下のスタンディングポーズを1つずつ追加していきます。
- パーダングシュターサナ(足指をつかむ前屈)
- パーダハスターサナ(手を足の下に入れる前屈)
- ウッティタ・トリコナーサナ(三角のポーズ)
- パリヴリッタ・トリコナーサナ(ねじった三角のポーズ)
焦らず、1つのポーズが安定してから次に進むのがアシュタンガの流儀です。「早く先に進みたい」という気持ちはわかりますが、基礎をしっかり固めることが結果的に一番の近道になります。
初心者におすすめのレッスン形式
マイソールクラス
各自が自分のペースでシークエンスを練習するスタイルです。インストラクターが一人ひとり回って個別指導してくれます。初心者には太陽礼拝からスタートし、習得度に応じてポーズが追加されます。初心者にこそおすすめの形式で、自分のペースで進められるため周りについていけない焦りを感じることがありません。
レッドクラス
インストラクターのカウントに合わせて全員が同じポーズを行うスタイルです。テンポが速く経験者向けのため、初心者がいきなり参加すると挫折するリスクがあります。まずはマイソールで基礎を固めてから参加するのが賢明です。
ビギナークラス
太陽礼拝とスタンディングポーズを中心に、初心者向けにアレンジされたクラスです。アシュタンガヨガのスタジオでは「ビギナーコース」や「入門クラス」として開催されていることが多く、アシュタンガの雰囲気を体感するにはまずこちらがおすすめです。

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アシュタンガヨガ初心者が注意すべきこと
ケガに注意
アシュタンガヨガは運動量が多い分、ケガのリスクも高くなります。特に以下のポーズは慎重に取り組んでください。
- チャトランガ:肩を痛めやすいポーズです。肘を締めて脇を閉じることを意識しましょう。最初は膝をついた状態から行っても構いません
- ジャンプバック/ジャンプスルー:最初はステップバック/ステップスルーで代用してください。ジャンプは体幹が十分に強くなってから挑戦しましょう
- 深い後屈:腰を痛めやすいため、腹筋の力を抜かないことが重要です。お腹で腰を守りながらポーズを取るイメージで行ってください
毎日練習するのが基本
アシュタンガヨガは基本的に週6日練習します(土曜日がお休み)。月の満月・新月もお休みです。ただし初心者は週3〜4回からでOKです。無理して毎日やって体を壊すよりも、継続できるペースを見つけることが大切です。
食事は練習の2時間前までに
前屈やツイストが多いため、胃に食べ物が残っていると気持ち悪くなることがあります。朝練の場合は空腹状態で行うのが基本です。水分は適度に摂取してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 体が硬くてもアシュタンガヨガはできますか?
A. できます。むしろ「硬いからこそ」やる価値があります。毎日少しずつ練習することで確実に柔軟性は向上します。最初から完成形を求める必要はありません。
Q. アシュタンガヨガとパワーヨガの違いは何ですか?
A. パワーヨガはアシュタンガヨガをベースに、より自由にアレンジしたスタイルです。アシュタンガはポーズの順番が完全に決まっていますが、パワーヨガはインストラクターの裁量で構成が変わります。どちらも運動量は多めですが、アシュタンガの方がより伝統的かつストイックです。
Q. 自宅で一人でも練習できますか?
A. 可能です。ただし最初はスタジオのマイソールクラスに通って、基本ポーズを正しく覚えてから自宅練習に移行するのがおすすめです。間違ったフォームで続けるとケガにつながるため、基礎固めは対面で行う方が安全です。
Q. プライマリーシリーズを通せるようになるまでどのくらいかかりますか?
A. 個人差が大きいですが、週5日練習して1〜2年が目安です。焦る必要は全くありません。アシュタンガヨガは「一生かけて練習する」ものです。進み具合よりも、毎日マットに立つことの方がずっと大事です。
まとめ
アシュタンガヨガはストイックなイメージがありますが、始め方はとてもシンプルです。太陽礼拝Aを5回。これが全ての出発点です。
最初の1ヶ月は太陽礼拝だけで十分です。体が慣れてきたら太陽礼拝Bを加え、さらにスタンディングポーズを1つずつ追加していきましょう。
「完璧にできなくてもいい。マットの上に立つことが大事」――これがアシュタンガヨガの教えであり、初心者が最初に覚えるべきマインドセットです。焦らず、自分のペースで楽しんでください。
アシュタンガヨガの総本山の情報はKPJAYI公式サイトで確認できます。ヨガの健康効果に関する研究は日本ヨーガ療法学会、運動と身体活動の効果については厚生労働省のe-ヘルスネットが参考になります。
※この記事の情報は記事執筆時点のものです。ヨガの実践にあたっては無理のない範囲で行い、持病がある方は医師にご相談ください。
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